ケイト・ブランシェットにやられています

ケイト・ブランシェット

アイム・ノット・ゼア』をDVDで見ました。何で劇場公開を見逃しちゃったんだろう?
ボブ・ディランは知らないけれど、これは単純な伝記映画ではないらしいので、感動したところを語ってもいいらしい。それぞれのエピソードも良かったけれど、特に、詩人からスターになって行き、創作のみならずマスコミやファンの作る自己イメージの面倒も見てやらなければならなくなった時期の、ケイト・ブランシェットが演じたパートが素晴らしくて。創作と成功とドラッグに、ともすればばらばらになりそうなところを必死でつなぎ合わせている感じが。

で、早速『エリザベス:ゴールデン・エイジ』もDVDで見ました。何で劇場公開を見逃しちゃったんだろう?!『エリザベス』のほうは見ていないのですが、今回から入った美術監督の手になる英国歴史的建造物に作られたセットの素晴らしさ!
パリの映画シーンは劇場と同じシーズンで、秋から春、夏休み中は子供向け夏休み映画か、リバイバル上映ばかりになるので、どちらの映画もこの夏中にどこかでかかるのを見に行かなくっちゃ、です。
それにしても、ケイト・ブランシェットという女優、『バビロン』ではただきれいな女優さんだなあ、としか思わなかったのですが、この2本の映画で初めてその力量に圧倒されました。「詩人」とか「女王」という役が、そもそも性別はどうでもいい人間のあり方、ということもあるのでしょうが、どちらの役でも、あの薄くて横長の唇の片端をくっと上げるだけでいろんなことが表現できてしまう、というのが本当にすごい。舞台出身なので、嫌いな人はこの濃ゆさが嫌かもしれませんが。
ちなみに、フランス語では、舞台出身の俳優・女優をコメディアン・コメディエンヌと呼び、映画・テレビしか出ないアクトゥール(英語のアクターですな)・アクトレスときっちり区別します。イザベル・アジャーニは史上最年少でコメディー・フランセーズに入団したコメディエンヌ、ソフィー・マルソーアクトレス。これは好みでしょうが、私はどちらかというと、コメディアン・コメディエンヌの映画が好きです。