絵画は語る
- 作者: ダニエルアラス,Daniel Arasse,吉田典子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2007/03/01
- メディア: 単行本
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邦訳で読み始めたのですが、あんまり内容が素晴らしくて、1章ずつ、少しずつしか進みたくない感じ。かいつまんでオットに話したら彼も興味を持ったので、フランス語版を買いました。この原著の方は、ラジオ番組の録音そのままのCDがついていて、二人でも一緒に聞ける仕組み。放送は、各回20分ずつですが、内容が濃いので、1〜2回分を聞いて、内容を満足しながら消化する、と言う感じです。素晴らしい本なので、読み終わるのがもったいなくて少しずつ読んでいます。絵画の細部、絵画批評史の批評、アナクロニズムとは異なる時代の概念を混交してしまうこと、結果としてまったく間違った解釈になったり、新たな視点を絵画史研究家にもたらしたりする...。
それにしても、ちょっとこの邦題は無いよなあ、と思います。このタイトルだと、テレビ番組本みたいで、内容に対していかにも安っぽい。翻訳は素晴らしいので、これは編集者の決めたタイトルなんでしょうね。
パリのルーブル美術館やオルセー美術館、そしてフィレンツェのウフィッツィ美術館やロンドンのナショナル・ギャラリーを見に行く前に読んでおくといっそう絵画鑑賞が楽しくなると思います。
若桑みどりの『マニエリスム芸術論』をガイドブックにフィレンツェを周ったことがありますが、そのときに得たなんだかもやもやした疑問をかなりすっきり解き明かしてくれた感じもあります。
これからオットとフィレンツェやウィーンを訪れるときや、ルーヴルやオルセーに行くとき、きっとその楽しさを倍増してくれるだろうと思います。