オバマ大統領当選への各国の反応

昨日から、各国の様子がいろいろと報道されています。こういう全世界的なイベントのときには、いろんなサイトを見比べてしまいますね。今日のパリで、新聞系のサイト、リベラシオンと、ル・モンドは、割と当たり障りの無い、あまり深みも無い感じがしました。記事も多くないし。ちょっと意外だったのは、FMラジオ局フランス・アンフォのサイトです。http://www.france-info.com/spip.php?article207899&theme=14&sous_theme=355ラジオの方も、15分ごとの最新ニュースで刻々とアメリカの様子や各国の反応、フランス各界からの反応を報道していましたが、サイトのほうもなかなか盛りだくさんでした。
各国の反応の中で特に目を引いたのは、ケニアで今日が国の祝日に指定された、と言うニュース。
ところで、オバマには「黒人初の」という形容詞がよくつきますが、実は彼自身が自伝で真っ先に言っているように、彼のアイデンティティとしては「黒人」ではなく「混血」(この方が法的な差別は強かった)だし、フランスのニュース・キャスターが伝えるように「ケニア移民の息子」と言うのも、彼のお父さんは、ケニアからアメリカに奨学金を取って留学してきた後の大臣であったことを思うとどうも的はずれだと思えます。その父親自身もそうだったように、アフリカのポリガミー体質が、家族内の紛争を起こし、子供の教育をおろそかにし、貧困から抜け出せない大きな原因のひとつ、と遠まわしに批判しているように思えます。
アフリカからの移民の多い、ヨーロッパでもっともイスラム教徒の多い国、フランスでは、アフリカ系コミュニティでは夕べはお祭り騒ぎだったようです。しかし、このフランスアンフォのインタビューで、アフリカ系フランス人の社会運動家は、警鐘を鳴らしていました。「オバマの当選は自信を与えるものだが、道はまだまだ遠い、アフリカ系フランス人の社会への責任の果たし方はまだまだ足りない、フランスには黒人国会議員はたった一人、アメリカに60人いる市長はまだ誕生していないのだから」と。