2008年、私のナンバーワンはこれでした。

フランス語のはなし―もうひとつの国際共通語

フランス語のはなし―もうひとつの国際共通語

  • 作者: ジャン=ブノワナドー,ジュリーバーロウ,立花英裕,Jean‐Beno^it Nadeau,Julie Barlow,中尾ゆかり
  • 出版社/メーカー: 大修館書店
  • 発売日: 2008/03/01
  • メディア: 単行本
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言語としてのフランス語の歴史と広がり、またその可能性を丹念に取材し、英語で書いた本。

フランス語を単にフランスという国の地域語ではなく、多くの国の人々がコミュニケーションに使える言語として捕らえている視点は、外国語としてフランス語を学び使う私にはとても励ましになりました。
カナダの英仏語カップルジャーナリストが共同で取材し、まず英語版で出版、ついでフランス語版翻訳を出したそうです。
そして、この本を日本語で読める幸せ!
翻訳大国日本語を母国語にする幸運は、こういう素晴らしい翻訳本を読むと良くわかりますね。

さて、あまりに感動したので、フランス人の夫や、スコットランド人の親友にプレゼントしようとしたのですが、英語版はともかく、フランスのどこを探してもフランス語版が無いのです。アマゾンはもちろん、本の売り上げではフランスアマゾンをしのぐFnacやA la Pageのサイトショップでも品切れ状態、パリにあるケベック書店にも問い合わせましたが、彼らの答えは「版元で品切れとなっている」というもの。
ところが、アマゾン・カナダにはちゃんと在庫があるんですね〜。
クリスマスに里帰りしたカナダ人の友達に頼んで、持って帰ってもらいました。今年のカナダは大雪で、配達がだいぶ遅れたそうですが。

このフランス語の本のフランスでの流通の悪さは、著者のアカデミー・フランセーズ批判の姿勢のせいなのでしょうか?だとしたら、フランス出版界の風通しの悪さもここにきわまれリ、という感じですが。

とまれ、本当に素晴らしい本なので、ぜひ多くの人に、とくに英語達者で次はフランス語が気になるなあ、という方に呼んでほしいなあと思います。