清志郎が逝ってしまった

最近の状況も知らなかったのですが、びっくりして、そして悲しくて悲しくて。
YouTubeで次々いろいろなビデオを見ている今、特徴のある声が聞こえるだけで、涙が止まりません。
おっかなびっくりLPを聞き始めたのが中学生〜高校生の頃、東京に出て最初に行った野外コンサートも、所沢球場でのRCサクセションだった。妹とNHKの公開放送も、応募して甲府から見に行ったっけ。(なんとYouTubeに入っていました)放送されなかった小規模なライブも、本当に良かった。ぐれるにぐれられもしない、中途半端に少数派な高校生のテーマ音楽だったと思います、私たちの世代では。
パリで友達のライブで歌うときにも、日本語のロックとして、歌わせてもらっていました。

実は3月に、仕事でサン・ジェルマンの老舗カフェ・VIPルームに行ったとき、カトリーヌ・ドヌーヴはじめ、芸能関係の方々がくら〜く座っていたのですが、それはアラン・バッシュンというシンガーのお葬式がすぐ横のサン・ジェルマン教会であったせい。
そのとき日本から来ていた方に、フランスの音楽界でのバッシュンの位置を言うのに、「井上陽水が亡くなっちゃった感じ」と、表現したのですが、今日こうなってみると、それは忌野清志郎だったかも。
政治的ではなかったけれど、主流派に組せず、いつも少しずれたところから、大ヒットを飛ばしていた感じは、似ているかも知れません。なくなった年齢も似たようなものでしたし。

あの時は、悲しむフランス人の友達にあんまりシンパシーを示せませんでした。ごめんなさい。今日になって、この、悲しみが、よくわかります。これは、彼が、やはり癌で、亡くなる寸前、フランス版「歌謡大賞」で歌った、最後のステージです。2008年初めに出たアルバム・ツアーで、50回、癌を押して、数万人の観客の前でコンサートをした栄誉をたたえた受賞場面です。