やっぱり変です、マスク姿。

新型インフルエンザ、日本では感染者が急に拡大して、大変な騒ぎになっているようですね。ところで、専門家のサイトでも指摘されていますが、マスクが感染を予防すると言う事実はないらしいのに、何千人もの人が顔を半分覆っている映像は本当に変です。「さわらぬ神にたたりなし」のような、思考を停止したアニミズムを感じます。
これを、パリのような外国に来てやっている人たちもいます。おとつい、日本から旅行にいらした知人に会いに大きなホテルへ行ったのですが、日本人団体観光客の中にマスクをしている人がちらほら、とっても異様でした。まるで「私は何かの重大な感染者です」、あるいは、「重大な欠陥があって顔を出して道を歩けません」と言っているかような印象を与えます。ただでさえ、日本人は何を考えているのかわからない、と言われているのですから、その謎を深めるような非合理的な行動にはご注意いただきたいと思います。航空会社や、旅行会社がマスクを配ったりもしているらしいですが、それは表面的には日本人観光客へのサービスのように見えても、じつは、外国での日本人への異様な視線を増加させるという、せっかくの旅行を不愉快に終わらせかねないリスクをもたらすことになっていると思います。
それよりも、外から帰ったら手洗い、うがいを必ずするとか、島国から大陸を訪れるのですから、種類も量も異なる細菌のうちの何かに感染しないように疲労回復にじゅうぶん注意するとか、異常を感じたらどう対処するとかという情報の周知などの方が大事だと思うのですが。

一月ほど前に歯医者さんに行ったとき、デスクの上にこのような箱が置かれていました。(これは鳥インフルエンザのときのもののようです)新型インフルエンザに対処して、各医師には、対処キットが配られ、感染状況に応じて各地域のどこの病院に駆けつけて他の医師と協働しなければならない、というマニュアルもできあがっているそうで、それは歯医者と言えども例外ではないそうです。
こういう準備があるからか、フランスでは新型インフルエンザに対しての反応は冷静です。人とであったとき、挨拶にはオフィシャルな関係では握手、親しい友人や家族ならほほへのキスという身体接触の高い慣習のあるフランスですが、鳥インフルエンザ豚インフルエンザでこの習慣が妨げられる、と言うこともありません。なぜなら合理的に考えて、このような接触で感染するわけではないと知っているからです。まだ豚インフルと言っていますが、食肉からの感染はないので、普通に豚肉も豚肉製品も売買されています。ルモンドのサイトを見ると、食肉用豚を大量廃棄したエジプトの写真が、「こんなことをしているよ」と言う感じで掲載されています。
今年は円高・ユーロ安に戻ったこともあり、これからヨーロッパを訪れる方も増えると思います。マスクで顔を隠して、美術館や高級ブティック、銀行や両替店に入っていくと、変な人として見られたり扱われたりするのは避けられない、ということをあらかじめ知っておいていただきたいと思います。
パスポート、身分証明書、最近では健康保険証も顔写真つきで本人証明をする国です。公の場所で顔を隠すと言う行為はとても目立つし、もたれなくてもいい疑いをもたれることになりかねません。