空っぽのパリでラタトゥイユを作る

2日後のラタトゥイユ

いや〜、見事にパリは空っぽです。パリ中心部のメイン通り、リヴォリやセバストポールもガラッガラ。
毎週行く土曜のマルシェも、スタンドの数は普段の1/4くらい。
頼みの綱は、野菜生産・直販をしているファブリスのスタンド。有機農法と歌っているわけではないのですが、味の濃い新鮮な野菜は、値段が高いのにもかかわらずいつも人気で、10分以上並ばないと買えないほど。
このパリが空っぽな時期に、畑で夏野菜はどんどんなっていくわけで、彼らは夏休みを取りません。3週間ほど前、1キロで5.80ユーロもしたズッキーニは、一山(約1キロくらい)1ユーロで、持ってってくれ!状態。ちょっと黒いところをとらなきゃいけないトマトや、パプリカもご同様。
今日こそ、今年一番のラタトゥイユ日和だ!
さて、私のラタトゥイユは、ぐじゃぐじゃの水っぽいものではなく、野菜をそれぞれ別々にいためて作る、歯ごたえの残るもの。完全に別々に火を通すのは大変なので、中間を探してたどり着いたのがこの方法。
1.大きな鍋に、トマトでトマトソースを作ってしまう。オリーヴオイルににんにくをつぶしたのを入れて、しっかり煮詰める。好みで赤唐辛子を1つくらい入れておくとおいしい。
2.トマトソースの鍋は弱火にかけたまま、横の深めフライパンにオリーヴオイルをたっぷりとり、パプリカを炒めてトマトソースに加える。強めの火で、パプリカの等分が軽くカラメル化するくらいまで。
3.ズッキーニ→なすの順に、オイルを足して炒めてはトマトソースに加えるのを繰り返す。
4.ざっと混ぜて水が上がってこないほどまで5分ほど軽く煮たら、火を止める。ここで初めて塩を入れ、ざっくり混ぜて自然に冷ます。冷ます間に味がしみます。ハーブは乾燥ハーブ・ド・プロヴァンスでもいいですが、今日はプランターに生えているオレガノをふた枝ほど入れました。

野菜は同じ大きさ、形にそろえて切ります。私は太目のジュリアンに、1cm×4cmの長方体くらいに。細めに切ってトマトソースも一度漉して種や皮を取ったものにすると「フランス料理」な感じに。でも、何日間か暖めなおしながら食べる家庭料理なので、そこまではしません。
野菜の味、特にトマトの味で全体の味が決まってしまいます。おいしいソース用の完熟トマトでなければ、いっそ缶詰のトマトで作るほうが、水っぽくならず失敗もありません。また、いい質のオリーヴオイルを多めに入れるのもこくを出すコツ。たまねぎも入れませんし、ましてコンソメの素なんて絶対に入れません。

濃い夏野菜が、それぞれの味も保ったまま、トマトでうまくまとまった、今年一番のラタトゥイユが出来ました。